ごまかしは通用しない
 イルカは周囲を認識する能力が高い。ハンドサイン(手の身振り)、ホイッスル、そして餌で人間とコミュニケーションを取る。
ハンドサインは実に30種類以上。4月に訓練を始めたばかりの江美さんにとって、覚えるだけでも一苦労。ホイッスルも毎日口にくわえて練習を重ねた。
 ライブ中、イルカが満腹になると動きが鈍くなってしまう。餌のタイミングや分量の調整も難しい。いい加減な態度、あいまいなサインはイルカを戸惑わせ、トレーナーを信用しなくなる。
 「イルカは人を見ます。イルカとの間では、嘘やごまかしは一切通用しません」



毎日が自分との戦い
 体調管理も大切な仕事。イルカはデリケートな動物。日によってコンディションが変化する。人間の子供と同じで、気が乗らなかったり、飽きてしまったりもする。やる気を引き出すため、楽しみながら訓練できるよう工夫を凝らす。
 性格を把握し、刻々と変化する健康状態を観察、気持ちを盛り上げて呼吸を合わせる。一つでもバランスが崩れれば、大きな失敗につながってしまう。トレーナーには並外れた根気と集中力が必要だ。
 だから「毎日が自分との戦い」。それを乗り越えたとき、プロとしてデビューが許される。



要求される信頼関係
 イルカと人間が深い信頼関係で結ばれることで、初めてライブは実現する。江美さんをはじめとするトレーナーとイルカたちによる感動的で迫力満点のライブを、多くの人に楽しんでほしい。



 今夏のライブは、イルカが地球環境の危機を訴えるというストーリー設定。アクアワールドには現在、9頭のイルカがいる。性格もさまざま。江美さんと共にデビューするバンドウイルカのシェルは、ジャンプや遊びが大好き。オキゴンドウのソラは好奇心旺盛だ。



アクアワールド県大洗水族館
大洗町磯浜町 電話 029・267・5151