水の最終章「湧水」を守れ


周辺開発が進み、水環境悪化

                                     笠原水源

 笠原水源は、 水戸の中心を流れる逆川湧水域の中流部に位置する。 昔から貴重な水資源として利用され、 動植物や市民の憩いの場となっている。 近年では開発が進み、 水環境が危ぶまれている。
 自然観察指導員の西原昇治さんは、 週に1度、 逆川の水量・水質を欠かさず観測する。 「午前4時ごろが一番きれいです」。 早朝は生活排水の流入が少なく、 清流が見られる。 1日でも流さなければ、 翌日には全域で清流が復元するという。
 逆川は、 全長約5・8`の小規模河川。 自然に恵まれ、 上・中・下流の地形が明確で、 水循環を理解しやすい川だ。  純粋な雨水は地下に浸透し、 地層の中で多くのミネラルを吸収する。 川床が砂利層で覆われた中流部では、 水の流れが出入りを繰り返し下流に向かう。 その後、 湧水域で清水に浄化されていく。 正常な水循環では、 雨水が地層の中を流動し地表に流出してくるまで、 30年以上かかるという。

自然に囲まれた逆川

 

「湧水は雨水が地下を巡り、 長い年月をかけて地上に現れた、 水の最終章。 湧水を守るためには、 手を加えない自然が必要です」 と西原さんは話す。  
汚濁水の流入、 過剰な開発―。 逆川は時間の経過とともに、 白濁した流れへと姿を変えた。
多くのミネラルを吸収した湧水
 
 自然観察会、 里山環境の維持保全活動などにより、 塩橋付近には絶滅危惧種シャジクモが確認され、 小門橋付近ではホタルを観察できる。
 体も光の強さも大きなゲンジボタルは、 きれいな水が流れる小川などで生まれ育つ。 ヘイケボタルは、 水田や沼に住むが、 幼虫は農薬などで死んでしまう。 観察できる時期は、 6月初旬から8月中旬ごろ。 午後7時30分ごろから見られ、 同9時ごろがピーク。 えさはカワニナ。
 7月28日には湧水を利用し、 「そうめん流し」 を行う。 自然環境に関心を持つことは、 清水を守るための突破口だ。
 市街地に接したこの場所に、 1級の湧水源が存在する。 笠原水源は水の都水戸の誇るべきシンボルだ。 「時間はかかりますが自然は必ず元に戻ります」。
 
▽取材協力=ひたち野自然観察会(029・247・8246 )