今年こそ健康な体に

「昔はスリムだったのにいつの間にか10kg増えていた」「お腹がぽっこり出てきた」。偏った食生活や運動不足、仕事のストレスなどが体をむしばみ、心臓病や脳卒中を引き起こす。日本人の死因の約3分の2を占めるのが生活習慣病だ。特に関連性が高い「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」という言葉が、気になる人も多いのでは。新年を機に自分のカラダを見直してみよう。

中高年の半数以上がその疑い?
 心筋梗塞や糖尿病など生活習慣病の引き金となるメタボリックシンドローム。厚生労働省が2005年5月に発表した「2004年国民健康・栄養調査」によると、その疑いが強い人が、40歳を過ぎると急上昇。40―74歳の有病者と予備群を併せた数は約1960万人と推定される。
 メタボリックシンドロームかどうかは、日本動脈硬化学会など8つの学会が定めた診断基準に基づく。ウエスト(へそ周り)が男性85cm、女性90cm以上で、内臓脂肪が100平方cmあるとされ、血中脂質・血圧・血糖のうち、2項目以上該当でその疑いが強く、1項目だと予備群とみられる。

食事に関する誤った「常識」について
 食事に関する誤った常識がはびこっている。食生活の視点から改善するべく、茨城キリスト教大・食物健康科学科の川上美智子教授に聞いてみた。
「内臓脂肪が増えるのは、40代後半から代謝が悪くなり、酵素の量が減るから」。エネルギーを摂りすぎると、糖が脂肪となって蓄積。食塩過多もメタボリックシンドロームの要因と警告する。
 PFC比率(総摂取エネルギーにおけるたんぱく質・脂肪・炭水化物エネルギーの割合)は1980年ごろの日本人の食生活がもっとも適正な値だったという。最近の統計では脂肪が増えており、「若い人が肉やマヨネーズを多く摂るようになった。マヨネーズは半分油で、残りが卵黄。何にでもかけると結果的には油をかなり摂ることに」と指摘する。
 優先順番としては、1主食、2野菜、3肉や魚などの主菜、4牛乳などの乳製品、5果物。「ダイエットの基準で『ご飯○杯分』と例えられるので、ご飯は大敵と思われがちだが、食べ過ぎなければむしろしっかり摂って欲しい」と話す。
 少しの工夫でエネルギーを減らすことも。例えば油は、体に吸収されにくいものを使うことで摂取量を大幅にカット。「加熱すると分解しない油もあり、注意してほしい」。調理方法では揚げる・いためるを煮る・蒸すに変えるのも重要。
 「仕事で忙しい」と言って食事を抜くのはよくない。飢餓状態は肥満細胞がエネルギーを使わなくなるので肥満につながる。適量の酒も血行をよくする。何事も摂りすぎないことが肝心だという。

内臓脂肪は落とせない?
 内臓脂肪は、腸や肝臓など内臓周囲につき、皮下脂肪よりも体に悪影響を及ぼす。女性より男性の方がたまりやすい。内臓脂肪1kgを減らすには、徒歩で約37・5時間、軽いジョギングで15時間、自転車で20時間の運動が必要、簡単に体重は落とせない。
 調査では、30分以上の運動を週2回以上実施する「運動習慣のある者」の割合が30代で最も少なく、男性13・8%、女性13・5%。最も多い60代(男性43・4%、女性34・7%)の半分以下。30代での運動不足のつけが40代の発病という形で現れるようだ。
 また、摂取したすべてのエネルギーに対する脂肪の割合を「脂肪エネルギー比率」といい、18歳以上で20から25%がのぞましいとされている。しかし、30%を超える人が男性で約2割、女性では2割5分にものぼっており、栄養バランスを考えた食事も大切となる。