音楽療法は小さな子供から高齢者まで幅広い年齢層に対し、 その人が持つつ問題や障害などへの個々のプログラムに沿った内容で、
可能性や長所を引き出すことを目指していく。 発達障害や精神的な疾患などでコミュニケーションを苦手とする人が自分と他者との関わりを作りだすのにも有効な手段の一つだ。
茨城音楽専門学校 (水戸市住吉町) で音楽療法科の講師を務める馬立明美さんは 「例えば、 問題行動のある子供のイライラを減らしたり、 音楽によって集中力を高めて気持ちをコントロールすることを学びます」 と話す。 「言葉を発することが難しくても、 歌うことなどで会話につなげ、 そして言葉に導くことも」。
音楽療法の特徴は 「聴くこと」 から始まる。 自分で何かをしなくても聴くことで心は穏やかな状態になる。 目を閉じていても自然と耳に飛び込んでくる音楽に心を委ねることができるのだ。 次に 「自分で歌う・楽器を使う」 へ。 気に入った曲を真似ることでもいい。 そこから創作心が芽生え、 次第に自信にもつながっていくのだとか。
福祉施設などの現場では施設スタッフとまめに話し合い、 対象者へのケアや状態を把握。 医療や福祉、 教育など多様な専門分野がかかわってくる療法のなかで 「大切なのはチームワーク」 と馬立さんは強く諭す。
県内では自治体によって音楽療法の取り入れ方はさまざまだが、 現場からは 「もっと音楽療法をしてほしい」 との要望の声が多いとか。 施設スタッフなどがその必要性を感じることもしばしば。 そんな人のために、 同専門学校は、 初心者向けの 「音楽療法講座」 を2月から3月にかけて3回シリーズで実施。 社会人も通いやすいように午後7時から開設し、 音楽療法入門や音の治療別効果についてなど学ぶ。 日時や受講料などの問い合わせは同校へ。
週末の午後のひととき、 リハビリに励むお年寄りたちが楽しみにしている時間がある。
通所リハビリテーション施設 「デイケアさくら」 (ひたちなか市東石川) に、
月に一度訪ねてくるのは、 音楽福祉ボランティアグループ 「楽唱会」 だ。 40代から70代までがボランティアとして参加し、
定期的に活動を行う。
歌が始まる前に、 手首や首周りなどの軽い柔軟体操や発声練習をして体をほぐす。 お年寄りの代に懐かしい歌謡曲や童謡を毎回1曲決めて歌う。 ボランティアや施設スタッフがお年寄りと一緒に歌ったり、 笑顔で声をかけあう姿がみえた。 代表を務めるヴォイストレーナーの葉山丈二さんもカラオケを使いながらの歌唱指導に熱が入る。
ボランティアの活動は約1時間。 自然光が差し込むフロアには、 穏やか表情で歌を聴き入る男性もいれば、 笑顔で元気に声を出す女性の姿もある。 お年寄りからは 「懐かしい時代に戻り、 幼い頃の友達や故郷の風景が浮かぶ」 「心が安らぎ落ち着く」 などの声が聞かれるのだという。
葉山さんは高齢者に対するリハビリの一助として音楽療法の研究に取り組んでいる。 「ボランティアは歌いたい人が声を出しやすいようにサポート。 メーンのお年寄りなど相手の立場に合せて行動することが大切」 と活動の心得を語ってくれた。 同会ではボランティアを募集中。
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訪問を楽しみに待つお年よりからは、
「来月も来てね」と声がかかる
=ひたちなか市東石川のデイケアさくら |