本県から栃木県益子町に向かう途中の田園風景や美しい山並みは、 自然と心を和ませてくれる。 やっぱり笠間焼も気になるという人はぶらりと笠間市に寄り道してから。 その反対に、 笠間焼を求めに行くついでに、 ちょっと足を伸ばして益子町まで行ってみるのも悪くない。 2つの陶器を見比べてみるのも面白そうだ。
益子町に着くと、 町内のいたるところに焼き物の町としての風情がたたずむ。 ふと目を向けると、 小粋なカフェや新進作家たちの器が飾ってあるかわいい店もある。 週末は埼玉県や東京都などの首都圏から客でにぎわうという。 土・日曜日、 祝日にはSLが走る真岡鐡道など、 自然と伝統、 そしてモダンさが調和し、 ゆったりとした時が流れている。
益子焼は鉢や水がめ、 土瓶など日用雑器の産地として発展してきた。 使いやすさに重点を置く焼き物だったため、 評価はあまり高くなかったという。 しかし、 大正時代に濱田庄司氏が東京からこの地に移住し作陶を開始。 使うための 「用の美」 として、 益子焼は高く評価された。 その一方で美術作品としての新たな流れも生まれてきた。 造形的な美を追求する加守田章二氏の作風に、 個性を表現しようとする若手作家は、 多大な影響を受けたという。
こうして色やデザインが多彩になった益子焼は、 今も数多くの陶芸家を育てあげている。 窯元は約380、 陶器店は約50あり、 作風はさまざま。 飾り気のない素朴な味わいの伝統的な陶器もあれば、 作家の感性のままに新たな陶芸の美を模索する者もいる。
2年に1度開催される 「益子陶芸展」 は、 若い作家を育てるための公募展。 第5回展が12月5日 (日) まで、 益子町益子の益子陶芸美術館で開催されている。 同展から巣立った者が陶芸界でも大きく活躍。 この10年の変化は、 女性の応募が増えたこと。 女性陶芸家の躍進が顕著になり、 入賞者の半数近くも女性が占めるという。
「秋色益子陶芸市」 の期間中は販売店舗のほか、 500以上のテント販売が立ち並ぶ。 それぞれの店頭や駐車場で、 伝統的な益子焼からカップや皿などの日用品、 美術品などを販売する。 テントでは、 作家や窯元の職人らと直接コミュニケーションを取れるのも魅力の一つ。 焼き物だけでなく、 地元農産品や特産品の販売も。 お気に入りの一品を探しに、 家族や友人と芸術の秋を満喫してみてはどうだろうか。
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素朴ながらも日用品としての魅力が高く
好みの陶器を買い求める
栃木県益子町
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